一般社団法人三沢青年会議所 理事長

一般社団法人三沢青年会議所 スローガン

はじめに

古くから馬の産地として栄えた南部地方にあって、三沢地域は馬産や漁業に携わってい ましたが、先の大戦後、三沢海軍飛行場は米軍に接収され、現在の三沢基地となり、1948 年 に大三沢町、1983 年には市制施行と大きく変貌してきました。アメリカ空軍、航空自衛隊、 民間空港の三者が使用する飛行場を持ち、全国有数の航空施設がある大空のまちとして、多 くの米軍人、軍属及びその家族が暮らし、基地との共存共栄を掲げ、良好な関係を築いてい ます。

航空祭やアメリカンデー、七夕まつりに三沢まつり、アメリカと日本の文化が交じり合う このまちに生まれ育ち、地元を盛り上げる活動がしたい、しかし、どうしたら良いか分から ない。そんな時に、三沢青年会議所を知り、事業やボランティア活動を通して自己成長する ことが、地域を盛り上げることにも繋がると思い、2022 年、33 歳となる年に三沢青年会議 所へ入会しました。間もなく実行委員長を任され、右も左も分からない中で、不安だらけの 初上程、拙い司会進行、2 年目には 60 周年の専務理事を任され、多くの経験と仲間の助け がありました。また、2022 年の鯵ヶ沢の記録的な大雨による川の氾濫後の泥掻き片付け、 能登半島地震で被災された石川県輪島市の方々への炊き出し支援など、『奉仕』『修練』『友 情』、JC が掲げる 3 信条を体感する 3 年間となりました。

日本の青年会議所は、1949 年、明るい豊かな社会の実現を理想とし、責任感と情熱をも った青年有志による活動を始め、その想いは全国各地に飛び火し、共に向上し合い、社会に 貢献しようという理念のもとに各地に次々と誕生していきました。その中で、三沢青年会議 所は 1963 年に全国で 262 番目に設立され、志しを持つ多くの先輩諸氏を輩出してきました。 事務局には設立当時に行われた設立式典の様子から、1966 年の三沢大火の直後など、三沢 の移り変わりが写真に残されており、三沢青年会議所が地域を見つめ活動し続けてきたこ とが、62 年経った今も、私たち現役世代は感じることができます。

過去や経緯、歴史を知らず変化を求めることは横着であると私は考えます。明るい豊かな 社会の実現に向け、62 年という歴史と今をしっかりと見つめ直し、何を感じ、何を残して いくのか、私たちは青年会議所活動を通して考え行動し続けていかなければなりません。

~一致団結できる組織

私たちの運動の根幹は会議です。会議によって議論を交わし、意思を決定、予算を執行し、 事業を行い、会を運営しています。この運動の発信の根本である会議の重要性を今一度理解 し、会議に責任感を持って臨む姿勢を大切にします。

貴重な時間を費やし集まる会議です。参加者に敬意を示し、円滑かつ効果的な会議運営を 行うために、事前準備とルールの徹底を行い、お互いの責任をしっかりと果たさなければな りません。また、より効率的な会議の為に議案の上程・説明時には出来るだけ事業の背景や 目的、内容などが伝わりやすい工夫を検討する必要があります。受け取り側の解釈や理解の 差を少しでも無くし、事業への想いを伝えるプロセスを加えることでより深い理解につな がると考えます。会議の場は提出されている議案に対し、それらをより良く進めるための積 極的な議論をする場です。新しいアイディアや多角的な視点を持った意見が交換され、気づ きがあり、意欲の高まる会議を皆で目指します。

また、諸会議の資料の取りまとめや配信、議事録や備忘録・報告書の作成・管理など、会 を運営するために必要な様々なことがメンバーの時間と労力によって行われています。多 くの支えによって組織や事業・運動が成り立っていることを今一度メンバー全員で理解し、 感謝の心とそれぞれの職務に敬意を持って JC 活動に取り組みます。そして、メンバーの活 躍や委員会の実績を皆で称え、さらなる活動意欲の向上や LOM の一体感を高めていきます。

~人が集まるまちづくり

令和 5 年度の三沢空港の定期路線利用者数は 32 万 4672 人、前年度と比較して 22,172 人 の増加と好調であり、市内にもその経済効果は少なからず波及していますが、埋もれている 魅力や、活用されていない施設がまだまだあります。

小川原湖にむ夕日、ビードルビーチの綺麗な星空、ラムサール条約に登録された仏沼の オオセッカなどの自然。長いも、牛蒡、にんにく、イカ、北寄貝などの農水産物。米軍基地 や航空自衛隊と共に行われる様々な祭り。航空科学館や寺山修司記念館などのレジャース ポット。バラ焼き、ハンバーガー、アメリカンバー、寿司屋に居酒屋など、豊富で美味しい 飲食店。数え上げれば切りがなく、普段の当たり前や、私たちにとって、「大したことじゃ ない」、という思いの中にも必ず魅力があります。

地域にあるものを活用し、先ずはこの地域に来てもらう。来ることで魅力を知ってもらう、 また来たいと思ってもらう、もしかしたら住んでしまう。そのきっかけをつくり、持続可能 なまちの発展につなげていきます。

~教育は人なり

「教育は国家百年の大計」は、人材育成こそ国家の要であり、100 年後の日本を支える人 物を育てるために長期的視点で人を育てることの大切さを説いた言葉です。まさに地方の 未来は子どもたちの輝く未来を形にしていくかにかかっています。また、SNS やネットゲー ム、人との関り方やコミュニケーションの手段が変化していく現代において、働き方も大き く変わっていきます。さらには、グローバル化が加度的に進んでいくなかで、日本人とし ての誇りを持ち世界と渡り合っていく力も身に付けていかなければなりません。三沢・沖縄 児童交歓をはじめ、青少年育成担当室では、子供たちに、自分たちの住まう地域を知り、歴 史を知り、知ることで郷土愛を育んでいく、日本人としての誇りをもつための将来の糧とな る事業を構築していきます。

~結びに~

2025 年度、三沢青年会議所は、公益社団法人から一般社団法人へと法人格が変わり、事 業構築もともに変化をしていくことと考えます。また、継続事業の在り方や、2023 年度、 の 60 周年事業は新規事業でありながら、多くの来場者を集め、夏が近づくと、またの開催 を望む声が後を絶ちません。会員数、予算が減少傾向にある中で、どうやったら開催できる のか、模索していかなければなりません。

「CHANGE」~和を以て変化をもたらす~のスローガンの下、過去を知り、未来を見据え、 敬意をもって、現役メンバー、シニアクラブ、関係各所と、話し合いや議論を重ね、新たな 三沢青年会議所を創造して参ります。